大阪 Ruby 会議 04 参加・登壇日記

2024 年 8 月 24 日に開催された 大阪 Ruby 会議 04 に参加してきた。
昨年 10 月以来の地域 Ruby 会議参加だったわけだけれど、地域 Ruby 会議って最高だな...と感じる 1 日半だった。

RubyKaigi 2024 開幕「役に立たない」コードで 1,400 人の度肝を抜いたぺんさんのキーノート以来、「役に立たない」ものを作ることに憧れがあった1。自分の中のキーワードのひとつになっていて時々取り出して眺めていた。
のだけど、「役に立つ」と「役に立たない」は最初から分かれているわけではなく行ったりきたりしているんだな、そうかこれも人生、ということをはすみさんのキーノートを聞きながら思っていた。素晴らしいキーノートだった。
おぎじゅんさんに「きっかけになったものが役に立つか立たないかはどっちでもよくて、コードを書くのが楽しければいいんじゃない」と言われて腑に落ちたりしていた。

dRuby 入門者による あなたの身近にある dRuby 入門というタイトルで登壇もさせて頂いた。何人かの方から dRuby よく知らなかったんです、こんな身近で使われていたんですね、すごいですね、やってみます、と言ってもらえてよかった。そうなんです dRuby すごいですよね、やりましょう。ちなみに dRuby 本は Kindle でも買えます。
前夜祭で熱心な dRuby ファンの koic さんから「dRuby ファンなので楽しみにしていますね」と言われて不安になったけれど、終わった後 熱心な dRuby ファンのみなさんから「よかった」と言って頂けてほっとした。
入門したので次は実践編をやりたい。

speakerdeck.com

なお 1st dRuby の gist はこちら

一点悔やまれるのは青木さんのお話をしなかったこと。まつださんに言われてその通りでした。
Ruby リファレンスマニュアルは過去 RWiki で書かれており、Ruby 1.8 から現在の BitClust というドキュメントシステムが作られました。これは青木峰郎さんの作です2,3
dRuby はそれ自体も格好いいけど使っているプロダクトもまた格好いいのが推しポイントなんですよね。。。


みなさんのトークどれも素晴らしかったのだけどぺんさんのトークが特に印象に残っている。対象を自分の解ける形に捉え直して、問題を分割してひとつひとつ解決していくとよいのだなぁ。「REPL のレンダリング」というと見当がつかないけれど「コンポーネントの描画」は(よく知らないけど)処理をコールしたことがあるので思考が一段進む。知っているパターンが増えると捉え直し方も増えてお得そう、パターンの違いが見えて解像度があがったり筋のよい選択がしやすくなりそう、など思っていた。

金子さんのキーノートは冴え渡って最高だった。情報量が多くてまだ受け止めきれていないのだけど、具体的なユースケースにあたりながら最高の構文木が形作られていく様子が楽しかった。具象構文木初めて知ったけれどもとてもべんりそう。
今回もいくつかのトークでパーサのお話がされてパーサ熱の高さを感じる。パーサに入門するとこれからも盛り上がっていくだろうパーサの話がもっと面白く聞けるんだな...

今回 dRuby の事例を調べるにあたり過去の RubyKaigi のセッションをいくつか見た。今わたしたちが当たり前に享受している色々なものは最初から当たり前にそこにあったのではなく作ってくれた人がいるんだよなぁというのを改めて感じて、そういう人たちも Ruby を始めたばかりの人たちも Ruby が好きというだけで集まって分け隔てなく話すことができる RubyKaigi すごいとなっていた。中でも地域 Ruby 会議は地域で色が違うのもよくて大阪 Ruby 会議 04 はチーフオーガナイザーの ydah さんの好きが詰め込まれていてほんとうによかったですね。

ということで引き続きたのしい Ruby をやっていきたい。やっていく。


  1. 一方で今まで「役に立たない」ものをたのしく作っていたしおいさんが RubyKaigi 2024 で「役に立つ」ものを作った姿がめちゃくちゃ印象的だった
  2. https://i.loveruby.net/rubykaigi2007/rubykaigi2007-aoki.pdf
  3. https://speakerdeck.com/znz/history-of-japanese-ruby-reference-manual-and-future?slide=7